園長のことば (令和6年(2024).5月)

 

 温暖化の影響なのか、日中、汗ばむ日が続いています。昔は夏服への衣替えは6月1日でしたが、この何年かは、暦と実際の気候がかなり乖離してきているように感じられます。熱中症の心配を4月からしなければならないとは思いませんでした。園でも水分補給には気を付けております。ご家庭での水分補給もこまめにお願いいたします。

 豪雨、地震、台風、津波といった自然災害も経験からの判断が通用しない想定外のことが起きることが増えてきたように思います。

 もう二十年?近く前になりますが、危機管理対策マニュアルをそれぞれの施設で策定しなければならなくなり、参考書を見ながら、マニュアルを作成しておりました。そのなかに、火山の噴火や大津波、大火事、原子力発電所の爆発や飛行機の墜落??などいろいろな災害が記載されており、そんなこと起きるはずがないじゃないか、ずいぶんと大げさだと思っておりましたが、その後、けっして大げさではなかったのだということがわかることになりました。

 感染症対策にしても、新型コロナ感染症が流行し始めた当初は、数か月で収まるだろうと思っていましたが、結局3年間以上にわたり、いろいろな面へ影響がありました。今では笑い話ですが、福山市で最初の感染者が出た時は、震え上がりました。一度あることは二度あるといいますから、新たな感染症が現れることを想定しておかなくてはならないのでしょう。コロナ感染症に関しては、終息したものと受け止めていますが、今度は、コロナワクチンの後遺症について、このところよく見聞きすることになりました。

 ウクライナとロシア、ハマスとイスラエルの戦争やミャンマー、スーダンの内戦などを見ていますと、日本は戦後79年間、戦争に巻き込まれることなく平和でしたが、これからも、戦争に巻き込まれることなく平和であり続けることができるのかわかりません。園の危機管理マニュアルへ、ミサイル対策であるとか、爆撃対策とか、防空壕の設置を入れなければならない時代が来ないでほしいと願わずにはいられません。

 

 

 

 

 

園長のことば (令和6年(2024).4月)

 

 令和6年度の入園・進級式を迎えることができました。桜の開花が例年よりも遅れていますが、もうしばらくするときれいな花を咲かせてくれるのでしょうが、開花が待ち遠しく思われます。

 この数年、園内事故のニュースを目にすることが増えたように思います。子どもが安心して安全に過ごせる環境であることがもっとも大切です。安心して安全に過ごせる環境のなかで、子どもは、自ら夢中になって遊ぶ多様な体験・経験を繰り返すことを通して多くのことを身に着けます。体の使い方を学び、いろいろな物事への興味や関心を広げ、疑問をもち、自ら考え、協力し、試行錯誤しながら解決することの喜びを学びます。

 これが「自ら学ぶ力」とか「生きる力の礎」といわれるものです。小学校教育を先取りし、数を早くから数えられるようになることや、文字を早くから読み書きできることになることを喜ばれる傾向があるのですが、幼児期には数や読み書きよりも大切にされなければならないことがあります。木々も根がしっかりしていなければ、成長できません。それと同じく幼児期は、しっかり根を張る時期です。そのためには夢中になって遊ぶことのできる体験・経験を重ねることこそが大切です。

 さて、保育をご指導いただきますのは、引き続いて林よし恵先生です。広島大学付属東広島幼稚園で、幼稚園教諭として勤務され、その後広島大学、広島女学院、広島文化学園大学で、幼児教育を教えてこられました。

 どうぞ、一年間よろしくお願い申し上げます。子どもと保育者と保護者の笑顔と笑い声に満ちた園でありたいと思っています。